【映画感想】実写版白雪姫(ネタバレあり)

 誰もが結末を知る歴史上初の長編アニメーションが実写化されると聞いて、正直白雪姫はストーリーがシンプルすぎて(基は童話だしね)引き延ばすのは無理だろ、と思ったものですが、公開初日の感想が酷評の嵐だったので逆に気になり、ネタバレを見る前にと観てきました。

 ネタバレありの感想ですので、ネタバレがダメな方はお引き返しください。
 ちなみに、想像していたよりずっと面白かったです。

実写版 白雪姫 あらすじ

『美女と野獣』『アラジン』のディズニーが、『白雪姫』を新たなミュージカル版として実写化。
雪のように純粋な心を持つ白雪姫の願いは、かつてのような人々が幸せに暮らす希望に満ちた王国。
だが、外見の美しさと権力に執着する邪悪な女王によって、王国は闇に支配されていた。
女王は、白雪姫の“本当の美しさ”に嫉妬し、彼女の命を狙うが、不思議な森で出会った7人のこびとたちや、城の外の世界へいざなってくれたジョナサンに救われる。
誰もが希望を失いかけた時、仲間たちと力を合わせ、白雪姫の優しさが起こした素晴らしい奇跡とは…?

「魔法の鏡よ、教えておくれ──世界で一番美しいのは誰?」

(ネタバレあり) 感想

 ここからネタバレありです。↓
 なお、日本語吹替え版で観ました。

 原作のアニメは言わずと知れた世界初の長編アニメーションで、これが世界初作品とは信じられないほど作画に躍動感とキャラクターの愛嬌が満ち満ちている、今でも色褪せない名作です。しかし、みんなが結末を知りすぎているし、今どき王子様のキスで目覚めるなんて受けないだろうな~と思っていたところ、初日から酷評の嵐/(^o^)\
 怖いもの見たさで見るっきゃないと観に行って来ましたが、想像してたよりだいぶ面白く、突っ込みどころは満載でしたヽ(^o^)丿 脳内突っ込みしながら見ると結構楽しめると思います。

 まず、開幕風間俊介の語りで遊戯王を思い出し、初っ端から内容が飛ぶ/(^o^)\
 (風間俊介さん大ファンです悪しからず。風間俊介の声を聴くとすぐ遊戯さんを思い出してしまう病。。。)

 続いて白雪姫の名前の由来が語られます。

 原作では雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように美しい黒髪、から白雪姫と名付けられますが、実写版では猛吹雪から生還した回復力を讃えて白雪姫と名付けられたと主演女優の方がコメントしたとのこと。
 このため白雪姫は褐色肌の健康的な女性になり、原作派からは反発があったようです。個人的には白雪姫にそんなにドイツ人みたいなイメージがなかったので(アニメも肌色で黒髪だったので)、特に違和感は感じませんでした。
 でも、原作の基本設定を改変してくるの良くないよヽ(^o^)丿だから酷評されるんだよ。

 で、白雪姫は優しい王様と優しいお后様と、とんでもなく裕福なお城に住んでいました。

 宝石がじゃらじゃらってレベルじゃねーぞヽ(^o^)丿 
 宝石とリンゴが主要産業のようで、掃いて捨てるほどある宝石。悪いお后様がやってくるまで兵士すらいなかったみたいなので、今までよく狙われなかったなと。
 開幕のミュージカルは素敵でした。アップルパイ美味しそう。

 しかし、優しいお后様は亡くなり、悪いお后様が王様に一目惚れされ後妻となります。

 おいおい悪いお后様は、優しいお后様と真反対のタイプじゃないかヽ(^o^)丿
 この後お城が衰退するの、全て王様がきっかけとしか思えない。 たとえ悪いお后様が魔法で魅了していたかもしれないとは言え。。。
 作中悪いお后様はあんまり魔法使ってないんですよね。魔法の鏡とバラを枯らすのと老婆に変身したくらいで。権力で人は脅すけど操ったりはしないので、結構普通に王様の好みだった可能性ある。作中ずっと美しさではこの世で一番だったわけだし。

 さて、王様もいなくなり(お后様に殺され)、召使の身分に落とされた白雪姫(ただし、ずっとお后様は「白雪姫」呼び)。毎日お城の掃除をしています。掃除中に出会うのが、後の運命の人、山賊のジョナサン。

 このお城侵入し放題すぎる/(^o^)\ ザル警備
 警備兵いなさすぎだろ。元は全員村人だったせいか、数も足りていなければ質も低い。物語の最終局面まで総計30人くらいでバカでかいお城を護っていました。

 で、ジョナサンを逃がすためにお后様の逆鱗に触れた白雪姫は、昔のように国民とリンゴパーティーをすることを提案され、正装に着替えて自らリンゴ狩りに向かったところ、兵士に命を狙われます。

 リンゴ狩りの時に何の説明もなく急にあのドレスに着替えてて吹いた🍎
 どうみてもリンゴ狩りに不向きなドレスだし、その後森の中でめちゃくちゃ目立つ原因に。
 そしてもっといい生地のドレスにしてあげればいいのに、なんか妙に安っぽい生地でした。

 兵士の情けで命は助かりましたが、深い森へ追いやられることに🌳
 
 ここで出てくる森の動物たちが可愛いのなんの。うさぎがめっちゃふくふくコロコロしているのは見物です。このCGなら実写版バンビは絶対に成功するヽ(^o^)丿。

 この後はしばらく7人の小人のターン。

 個人的にこの映画の一番の見所は、ハイホーからの鉱山採掘シーンと思います。
 ミュージカルもコミカルで楽しいし、宝石の採掘がとても美しいです♦。ここだけ繰り返し見たい名シーン。
 作中に出てくる宝石は、この小人たちが掘った宝石を人間に卸していたのでしょうか。
 お后様が出てくるたびに宝石で強化されていて、最後宝石で武装みたいになってたの密かに笑いました。
 また、小人のミュージカルも素晴らしいのですが、お后様が美しさが全てみたいな曲を熱演するところも本当に良かったです。お后様の熱演レベルが高く、それと比較して白雪姫とジョナサンが淡々としているように見えました。

 そして、SNSで話題になっていた口笛吹いて働こうのシーン。

 白雪姫にリーダーの資質がありすぎて、自分は働かず指示役になってしまった件。
 でも、筋道を立てて人を動かし、喋れないおとぼけの気持ちを理解し、200何年喧嘩を繰り返していた小人たちを取りまとめたリーダーシップは、結末に遺憾なく発揮されていると思うので良いと思います。

 短時間で小人たちの人心掌握した白雪姫でしたが、自分がいると小人たちに迷惑が掛かると思い、一人森へ戻ります。すると、そこにはジョナサンが。

 ジョナサンと再会した時のミュージカルですが、ジョナサンウザすぎる/(^o^)\
 擦れた大学生のようなウザさ。
 歌も淡々としてるし、二人とも動きが少ないし、お后様の熱演を見習ってほしい。
 ジョナサンがウザすぎて、後に姫が魅かれる理由が良く分かりません。
 あと、急に後ろから現れるボーガンの人ロロノア・ゾロかと思った(cv中井和哉)。
 というか、ここで出てくる山賊たちって一体何と戦ってるの/(^o^)\? 前の王様を慕う義勇軍かと思ったら、王様探してすらいないみたいだし、存在が謎(そして謎のまま終わる)。

 するとそこへ、白雪姫が生きていることを知ったお后様の追手が迫ります。
 
 森の動物たちが有能すぎる!! 森の仲間のおかげで白雪姫逃げ切りに成功。
 それと比較して追ってが無能すぎる/(^o^)\ なんで山賊たち全員囲ってたはずなのに、白雪姫の人影見て全員でそっち向かってるんだ。本当に馬鹿。

 そのあと、なんやかんやで白雪姫をかばったジョナサンが、ボーガンに撃たれます。

 今にも死にそうな深手みたいな演出なのに、小人(先生)の適当な手当てで一瞬で治ったなヽ(^o^)丿。その後痛がりもせず、姫とダンスしてる不思議。
 あと、白雪姫を庇って撃たれたジョナサンのこと聞かれて、「ジョナサンは自分勝手な人間よ」は酷すぎる/(^o^)\お前を庇ったんやでー。

 怪我が治ったジョナサン達は、王様を探しにでかけて行きます。
 一方、白雪姫の居場所が分かったお后様は、老婆に化けて、毒リンゴを食べさせようと小人の小屋にやってきます。

 小人の小屋は、なんとお城の街道から400mしか離れていなかったそうな。
 めっちゃお城のご近所さんじゃん小人の家\(^o^)/ 別に魔法の力で隠されていたりもせず、すぐに見つかります。もうここら辺から意味不明。
 どう見ても怪しい老婆が訪ねて来た時も、アニメ版だと魔法のリンゴを食べると願いが叶うよ的な言い方で騙していたのに、実写版は特に理由なく普通に🍎食べてお倒れになった。
 まじで何してんの。

 毒リンゴを食べて亡くなってしまった白雪姫でしたが、脱獄してきたジョナサンのキスにより息を吹き返します。

 王子様リストラ。
 白雪姫の葬儀のシーンは、アニメも実写版もとても良いです。ずっと白雪姫に厳しく接していたように見えたおこりんぼの涙が哀しみを誘います(アニメ版のほうが、おこりんぼも実は白雪姫が好きだった描写が丁寧なので分かりやすいんですけどね)。
 ジョナサンの脱獄シーンは、ボーガンで受けた傷を物ともせず力技で脱獄するので笑っちゃいましたヽ(^o^)丿。何度も言うけど警備兵いなさすぎるだろ。曲がりなりにも反逆者を収監しておく牢獄で警備0人って何故だ。
 あと、白雪姫を逃してくれた兵士が生きててくれてよかった。
 そして、向かいの牢屋にいる白骨はアニメ版と一緒だ💀。

 生き返った白雪姫は、みんなの後押しを受けて、国を取り戻そうと決意します。

 急に覚醒して武藤遊戯のごとく喋りだすおとぼけ(cv風間俊介)。
 白雪姫がお城に一人戻り、国民が集結するシーンは、あ、これアラジンで観たやつだと思いました。白雪姫、解放戦線のリーダーすぎるヽ(^o^)丿
 途中、姫がいたことを国民は忘れてしまいました的なナレーションがあったと思うのですが、その割にみんな白雪姫にすぐ気付いて行進を始めましたね(ただし、何をするでもなく集まっただけ)。

 お城の前で対峙する白雪姫とお后様。しかし、白雪姫はお后様を殺せませんでした。
 あわや、白雪姫が処刑される寸前、白雪姫の心の美しさに触れ、兵士たちは白雪姫側につきます。

 えっ?最後特に暴動が起きるでもなく、戦いが始まるわけでもなく、お后様と対話があったわけでもなく、白雪姫の記憶力(兵士がパン屋だったことを覚えていた)と心の訴えで解決するの?/(^o^)\
 これ、30人くらいの兵士がもっと早く暴動起こしてればさっさと解決したのでは。
 そして山賊の存在とは一体。。。ボーガンの人以外必要だったのか?
 その後、自分で魔法の鏡を割って自滅するお后様ェ…。
 魔法の鏡は一体何だったのか。。。終わり方あっさり過ぎるだろ。打ち切り漫画か!
 もっと魔法の力を存分に使って、クライマックスを盛り上げたほうが良かったのではないかと思います。。。個人的に、アニメ版の小人たちが魔女に復讐する崖のシーンが好きだったのでこの終わり方はとても残念でした。

 ラスト、踊りまくる姫と山賊

 白い衣装に身を包み、ハイテンションで踊りまくる姫とジョナサンと国民。
 物語の開幕と、終幕はイケボで喋れるようになったおとぼけが、子どもたちに童話を読み聞かせているところ。いい感じの演出ですが、童話の主人公がずっと同じ画面で踊りまくっているので、最後も微妙に締まらない感じヽ(^o^)丿ソコニイルヨー

 でもまあ、何もできないお姫様が、王子様に助けられ、異国の地で幸せに暮らす結末は、現代ではそのまま実写化することは難しかったのでしょうし、これはこれで良かったと思います。
 
 めでたしめでたし


コメント

タイトルとURLをコピーしました