【映画感想】「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」感想

 Twitterで話題のゲゲゲの謎を観てしまいました。鑑賞後は抱えきれない感情状態になってしまいましたが、落ち着いてきたので感想を書き散らします。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 あらすじ

 あらすじは公式HPから。

廃墟となっているかつての哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎と目玉おやじ。 目玉おやじは、70年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。 あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について… 昭和31年―日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。
血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。
龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。
そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。
それは恐ろしい怪奇の連鎖の本当の始まりだった。
鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものはー

本編感想

 さて、感想ですが、私はアニメ6期を観ておらず(アニメは第4期を観ていました)、沢城鬼太郎は未律修で、墓場鬼太郎も昔漫画をチラ見したくらいの知識しかなかったため、当初は映画を見るつもりはありませんでした。

 しかし、公開2週目で初週の観客動員数を上回ったとか、映画特典でみんな泣いてるだとかの情報がちらほら耳に入り、いよいよ気になってきたところで友人が入村。同じくらいの鬼太郎知識しかないはずの友人が糸目の石田彰のワードにほいほいされ見事に沼り、引きずられるようにして翌日観ました。
 

 一言でいうと、今年度No.1映画だったと言い切れます。脚本、作画、声優の演技、演出、原作への愛満点だったのではないでしょうか。
 見終わってちょっと呆けたの久々だわ。
 雰囲気は、犬神家の一族、金田一少年の事件簿、ひぐらしの鳴く頃にを良い感じにミックスしたような感じでした。

 映画始まって当初は、猫娘の頭身が高くてえっ!?誰?状態だったのと、目玉おやじが野沢雅子さんで、これから出てくる等身大鬼太郎の父親とちゃんと結びつくのかと脳内突っ込みに忙しかったのですが、過去が描かれたくらいから演出が良くてすっと物語に入り込めました。

 開幕の戦後昭和の描写がすごい。みーんなもくもくタバコ吸ってる。電車で幼い子が咳き込んでる横でタバコ吸ってて、こういう時代なんだとわかっていてもイラっとします。ここで出てきた幼い子は、戦後の時代を描くために必要なんだなーとか思って観てたんですが、映画後半でわかる伏線。あの子らは、薬の贄にされるために連れてこられてたんですね…。

 狂骨の黒幕は紗代ちゃんだったわけですが、康子さんと紗代ちゃんが揉めてた時に狂骨の音が重なる演出で、黒幕は康子さんだとミスリードさせられそうになったり、紗代ちゃんが叔父の日記を持ってきた場面では不自然にスポットライトから外れていて、あ、この子何かあるな、とぞわっとしたりとミステリホラーとしてもとても楽しめました。
 ぞわっとするといえば、今回龍賀の一族が狂骨によって殺される際は、目玉親父の映画と関連付けてか目玉の扱いが強調されてましたね。乙米さんの死に方めっちゃ怖かった…。次女のカラスに目玉ズクズクもだけど…。

 さて、みんな大好き鬼太郎の父ですが、かっこよくなりすぎぃー。妻大好きなところも含めてもう本当にかっこよかった。関さんのひょうひょうとした抑えた演技と、妻が関わると感情高ぶる演技とか素晴らしかったです。でも温泉入ったり、ちょっと楽しそうに船漕いだりと目玉親父に繋がる要素もあってかわいい。髪が伸びるのもよい。
 途中裏軌道衆との肉弾戦は、作画が良すぎて本当にゲゲゲの鬼太郎なのかと動揺しました。急に呪術廻戦始まったかと思った。線がぶれてるのか自分の目がぶれてるのか判然としなかったもん。
 ちょっとうろ覚えですが、変わり果てた姿の妻と再会した際に、容姿について何も言わず、只々再会できたことを喜んでいて愛だなと感じました。奥さんも何年も鬼太郎身ごもりながら血を抜かれ続けることに耐えられたのすごい。鬼太郎があの夫婦に育てられる世界が見られなかったのが哀しい。。。

 水木については、戦争を生きて帰ってきて、生きて帰ったからには野心を持ってのし上がろうとする成年感がすごく自然で、木内さんの演技力に脱帽です。最初紗代ちゃんに何の感情も持ってなさそうなのに、日記を読んだあたりからの葛藤とか複雑な感情が見え隠れしてて辛かったです。紗代ちゃんも、他の村人たちは問答無用で爆殺していたのに、水木に対しては自らの手で首を絞めるだなんて、本当は殺す気がなかったんでしょ。。。一緒にクリームソーダ飲んでほしかったな。

 呪われた村の代わりに鬼太郎父が依り代になってくれたわけですが、墓場鬼太郎のミイラ男にどうつなげるんだと思ったらこう繋げるんか。。。二目も見られない姿になっても奥さんと水木と鬼太郎を守ろうとしたかと思うと涙が。。 エンディングロールも音楽と相まってぼろぼろでした。あの凄まじい作画を書いたスタッフの名前が見えないよ。。 あのエンディングの曲のアレンジもよかった。あんなに泣ける曲だったのか。
 水木が鬼太郎を育ててくれてよかった。漫画を読んでないので、目玉親父と水木が再開したのかわからないのですが、良い父親が二人もいたから、鬼太郎は人間と程よく共存を目指す性格になったんですかね。

 とっ散らかりすぎて声優と作画の話しかしてませんが、本当によい映画でした。たぶんあと2回は観に行きます。水木しげる先生の戦争漫画を律修の上観に行きます。
 
 墓場での酒盛りみたいなシーンが唯一の癒しだったな。天狗の酒飲んでみたい。


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